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相撲は日本の国技

相撲とはどういうものなのかを説明する時には必ず聞く台詞です。恐らく大多数の日本人は「日本の国技は相撲」であると信じてると思います。

その一方で、「相撲は国技ではない」という見方があるのをご存知でしょうか。相撲が日本の国技である根拠も気になりますね。

今回は、「相撲と国技」というテーマで、相撲が日本の国技される由来などをご紹介したいと思います。
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国技とは何か


そもそも「国技」とは何なのでしょうか。

国技とは、ある国を代表するスポーツや武術などを指す言葉です。例えばブラジルの「カポエイラ」や韓国の「テコンドー」は、それぞれの国で法律によって国技と制定されています。

その一方で「国技」の捉え方の1つに「国民に深く親しまれ、その国の文化にとって特に重要な位置を占める」という考えが国民に深く支持されているスポーツという考えもあります。
アメリカにおける野球やカナダのラクロスなど、実は法的には明文化されていないものの「国技」だと捉えられているスポーツは数多くあります。

この考え方から、相撲を国技と捉えても良さそうですが…

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相撲が日本の国技である根拠はあるのか


ところが日本の場合、現在に至るまで法的に国技が定められた事はありません。

多くの日本人が日本の国技が相撲だと思っているでしょうし、また宮内庁から天皇杯を下賜されている「柔道」や「剣道」を国技だと思っている人もいると思います。天皇杯と言えば「サッカー」も有名ですし、あの東京六大学野球も「国技」天皇杯と関係あるので、国技と捉えられる見方もあります。こうした競技は国技の資格を有しているとつい考えてしまう方もいるのではないでしょうか。


ただ相撲の場合、公式文書の中で「国技である」と認められたことがあります。

その1つが「財団法人大日本相撲協会」が「財団法人日本相撲協会」に改称した時、監督官庁である文部省(当時/現在の文部科学省)に提出した文書で、「寄附行為・第3条」に「この法人は、わが国固有の国技である相撲道を研究し・・・」と明記してあるにも関わらず、省令認可された事によるものです。
(昭和41年文部省令第6号)


また、裁判の中で「相撲が国技」と示されたこともあり、平成22年4月19日、東京地産の渡辺弘裁判長が元露鵬と元白露山が大麻吸引で受けた解雇処分に対して「他のスポーツと比較しての処分が重過ぎる」と主張して解雇無効と地位確認を求めて提起した訴訟の判決において、「国技たる相撲を他のスポーツと比較することは適切でない」ことを理由に退けたのです。

ただし、法律の専門家が「国技」と断定したので、「絶対に根拠があるはずだ」と探してみたのですが、法的根拠は見つけられませんでした。渡辺裁判長は「社会通念上」という概念を根拠に判決を下したものと考えられます。

相撲が日本の国技と言われた由来について


相撲が日本の国技と位置づけられた由来はあるのでしょうか。

有力な説は、明治42年(1909年)、東京・両国に初めての相撲常設館が完成した時、その建造物を「国技館」と命名したことが由来だとされています。
実際、国技館の開館式において、作家の江見水陰氏が執筆した推薦文の中で「相撲節は国技である」という内容を書いたそうです。 


また、国技の捉え方を「国民に愛され、その国の文化において重要なもの」と考えると、相撲は立派な「国技」であると考える事はできると思います。
平成時代である現在、「髷」を結った力士(=文化)が土俵に上がって対戦(=神事)し、その勝負の多くの観客が魅了(=深く親しまれ)されています。

この考えに基づき、相撲を「国技」と捉えている日本人も多いのではないでしょうか。

※参照:大相撲の席の種類や料金について。枡席、椅子席、溜席とは?

この記事のまとめ


相撲は日本の国技なのかについて検証してみました。

法的には相撲は日本の国技ではないと考えられるかもしれません。また、相撲が日本国民の間で最も人気のあるスポーツかと言うと、個人的にはそうではないと思います。

しかし、日本では古来より相撲を取るという風習があるのも事実です。こうした歴史的な背景を踏まえると、相撲は日本の国技と言えるだけの資格を持つスポーツ、あるいは文化なのだと個人的には思っています。

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