相撲の世界は、ただの力比べではありません。一門の結束と競争が織りなす深い物語があります。

この記事では、歴史ある一門の伝統から最新の勢力図、その総帥まで、相撲部屋の一門の詳細をわかりやすく解説します。

相撲愛好家も初心者も、この記事で相撲の魅力を再発見しましょう!

相撲部屋の一門をわかりやすく解説

まずは相撲部屋の一門がどのようなものかを、その歴史や起源も踏まえご紹介します。

複数の部屋が集まった派閥のようなもの

一門は、伝統的に継承される相撲部屋の師匠(親方)たちが、相互の支援と協力を目的として組織するグループです。

いわゆる「派閥」と言っても差し支えはないでしょう。

一門内では、お互いの部屋の繁栄や力士育成のために、ノウハウや資源が共有されます。

同じ一門内での連合稽古が実施されることもある一方、近年では一門の枠を越えた稽古が行われるケースもありますね。

また、一門は相撲界の構成要素として、大会運営や相撲文化の維持にも寄与しています。

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一門の起源は江戸時代から見られる

一門の概念は、大相撲の歴史と密接に関連しています。

江戸時代には既に、相撲部屋や力士間の協力体制が見られましたが、現在の一門制度に近い形が確立されたのは、明治時代以降です。

一例として、相撲部屋の名門と称される出羽海部屋が設立されたのは江戸時代(1800年ごろ)でした。
後に閉鎖されるも、1862年という幕末の時期に再興されています。

一門として最も古いのは高砂一門で明治初期から存在しています。角界では主流派の出羽海一門に対抗する「反主流派」という立ち位置でした。

時代が進むにつれ、一門は相撲界の構造をより組織的にし、力士の育成や相撲文化の保護において中心的な役割を果たすようになりました。

現在では以下5つの一門が存在しており、相撲部屋はいずれかに所属することが定められています。

一門の勢力図を一覧でまとめてみた

大相撲の一門は、それぞれ独自の歴史、特色、および力士の育成方法を持っています。

ここでは、24年2月時点で5つの一門の勢力図や各一門の総帥を一覧でまとめてみました。

それぞれの特徴と相撲界における位置付けについて見ていきましょう!

出羽海一門:協会理事長を最も輩出した角界の名門

出羽海一門は、前述した通り大相撲の中でも最も歴史が深く、影響力のある一門です。

代表的な部屋は出羽海部屋、春日野部屋、立浪部屋、藤島部屋、武隈部屋など。

現役力士では大関・豊昇龍や元大関・御嶽海などが所属しています。かつては栃錦や北の湖、武蔵丸といった名横綱を輩出していました。

24年2月時点の総帥は出羽海親方(元前頭2・小城乃花)です。

数多くの横綱や大関を輩出する一方、かつては分離独立を許さずといった不文律がありました。

これに背いた11代九重(元横綱・千代の山)は一門から破門されてますが、時代が進むにつれ緩和されています。

また、日本相撲協会の歴代13人の理事長のうち、出羽海一門所属者が7代6人を占めており、その名門性が際立っています。

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二所ノ関一門:8人の横綱を輩出した新興勢力

二所ノ関一門は大相撲の歴史の中で新興勢力であり、かつては横綱・玉錦や関脇・玉ノ海などの関取を育て上げました。

大きく両国系と阿佐ヶ谷系に分かれており、前者は「昭和の大横綱」と称される大鵬をはじめ、玉の海、琴櫻などの横綱を輩出。

阿佐ヶ谷系は8代芝田山を源流としており、初代若乃花を輩出。この系統からは初代若乃花を含む8人の横綱と5名の大関を輩出しています。

代表的な部屋は佐渡ヶ嶽部屋、片男波部屋、芝田山部屋、錣山部屋など。

現役力士では大関・貴景勝や琴の若が所属しています。かつては隆の里や大乃国、若貴兄弟などが活躍していました。

24年2月時点の総帥は二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)です。

時津風一門:双葉山が起源。現在は3系統が存在

時津風一門は69連勝という大記録を打ち立てた横綱・双葉山が設立した双葉山相撲道場が起源

ここに伊勢ノ海部屋と井筒部屋が合流して形成されました。

時津風部屋からはいくつかの部屋が独立してますが、別の一門の移籍した部屋(湊部屋が二所ノ関一門、式秀部屋が出羽海一門)も少なからず存在します。

代表的な部屋は時津風部屋、伊勢ノ海部屋、追手風部屋、荒汐部屋など。

現役力士では大関・霧島や元大関・正代などが所属しています。かつては元横綱・鶴竜が活躍しており、今は音羽山親方となっています。

高砂一門:最古の一門。出羽海に対抗する反主流派

高砂一門は前述した通り、明治初期から存在する最古の一門です。

初代高砂は角界の改革を求め、出羽海一門に対抗。

現在は高砂と九重の2系統から構成されており、これに錦戸と八角を加えた4部屋が存在します。

分離独立には寛容ですが、独立した部屋が閉鎖する例も多いため部屋数は少なめとなっています。

現役では元大関・朝乃山や元小結・北勝富士などが所属しています。かつては元横綱・千代の富士や朝青龍、元大関・千代大海などが活躍していました。

24年2月時点の総帥は高砂親方(元関脇・朝赤龍)ですが、協会理事長である八角親方(元横綱・北勝海)の影響力が強いとされています。

伊勢ヶ濱一門:モンゴル出身3横綱を輩出した反主流派

伊勢ヶ濱一門の起源は、4代立浪が出羽海一門に所属する春日野部屋から独立して立浪部屋を設立したことに遡ります。

その後、伊勢ヶ濱、高島、朝日山の4部屋が集まって一門となりますが、2007年に7代立浪がかつて存在した貴乃花一門に合流。

その後何度かの名称の変更を経て、現在の「伊勢ヶ濱一門」という名称に落ち着いています。

一門の創設者である4代立浪は「打倒・出羽海」を掲げていたため、協会内では反主流派に属しています。そのためか、これまで協会の理事長や事業部長を輩出したことがありません。

代表的な部屋は伊勢ヶ濱部屋、大島部屋、宮城野部屋など。

現役では横綱・照ノ富士が所属してる他、かつては横綱・白鵬や日馬富士を輩出していました。

24年2月時点の総帥は伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)です。

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まとめ

大相撲の一門は、複数の相撲部屋が集まり形成するグループで、相互支援と協力を目的としています。

一門は大会運営や相撲文化の維持に寄与し、一門内での連合稽古や、近年では一門を越えた稽古も行われます。

出羽海一門は角界の名門で、多くの協会理事長を輩出。二所ノ関一門や時津風一門もそれぞれ特色を持ち、高砂一門は最古の一門として、また伊勢ヶ濱一門はモンゴル出身の横綱を輩出するなど、各一門は独自の歴史と特色、力士の育成方法を持っています。

これら一門の勢力図は相撲界の多様性を示しており、伝統を脈々と受け継いでると言えるでしょう。